ゲシュタルト崩壊とは、普段は問題なく読める文字や理解できる絵を見たときにそれと認識できなくなってしまっている状態。
一時的に認知機能が著しく低下、崩壊していることを言います。
これは誰もが陥ってしまう現象ですが、実は陥りやすい人とそうでない人がいるんです。
今回はゲシュタルト崩壊について陥りやすい人の特徴や陥った場合の対処法などをご紹介します。
是非最後までご覧ください。
ゲシュタルト崩壊しやすい人の特徴とは?
ゲシュタルト崩壊しやすい人とはどんな人でしょうか?
気質性のもので言うと集中力が高い人はゲシュタルト崩壊をしやすい人と言えるでしょう。
視覚や聴覚といった五感から入ってくる情報は脳が記憶の中の情報と照らし合わせることで理解し認知(認織)します。
そんな中、集中力が高い人は感覚の情報を大量に長時間脳に送り続けます。
脳が急速に疲弊していくとゲシュタルト崩壊が起こりやすくなってしまうんですね。
脳がもともと疲れている時もやはりゲシュタルト崩壊が起こりやすくなります。
強いストレス状態の人や疲れが溜まっている人、睡眠が不足している人も一時的にゲシュタルト崩壊を起こしやすい状態になっているといえます。
ゲシュタルト崩壊が起きる原因
続いて、ゲシュタルト崩壊が起こる原因についてご紹介します。
ゲシュタルト崩壊とは普段見慣れているものや知っているものなのに、それが違う形に見えたり名前が思い出せないという脳が混乱している状態です。
人間は五感に入ってきた情報を脳で処理することで認知することができます。
例えば鉛筆を見た時、その映像が脳に送られます。
脳の中では視覚から得た物体の情報と記憶されている情報を照らし合わせることでそれを「鉛筆」と認識することができます。
日常で繰り返される工程ですが、これが短時間に大量の情報が入ってきたり長時間繰り返し起こるとエラーが発生してしまいます。
最初は視覚に入る→脳に送る→照らし合わせる→理解するという工程を円滑にこなしますが、だんだんと脳が疲弊しペースが落ちたり工程が抜けたりしまう。
そうすると見ているものが理解できなくなったり、違う形に見えてしまうという混乱した状況が生まれますね。
これがゲシュタルト崩壊のメカニズムです。
ゲシュタルト崩壊の具体例について
それではゲシュタルト崩壊の具体例をいくつかご紹介します。
誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
文字
ゲシュタルト崩壊を起こしやすい文字として代表とされているのは借、多、野、今、傷、ル、をと言われています。
小学生の時、漢字練習をしましたよね。
何度も同じ文字を書き続けていると、自分が書いている文字を歪に感じたり読み方がわからなくなったりした経験がありませんか。
また、年賀状を何枚も書いている、もしくは書いていた方は<あけましておめでとう>の文を繰り返し書くことで「”あ”って、こんな字だったっけ」など混乱された記憶はないでしょうか。
音
日常や習慣的に耳にする言葉や音でゲシュタルト崩壊を起こすこともあります。
これは私の経験談なのですが。
中学生の頃、生活委員として校門に立ち登校してくる生徒に挨拶をする当番がありました。
人が通るたび、大きな声で無心に「おはようございます」と繰り返すわけです。
ある瞬間、なんの前触れもなくおはようございますという言葉が歪に感じたのです。
「おはようございます」が日本語として正しいのか。
自分は「おはようございます」と声を発していたのか分からなくなり、恥ずかしさに声が出なくなりました。
これこそがゲシュタルト崩壊ですね。
たまたま通りかかった級友に「おはようございますって日本語、あってる?」と聞いて大笑いされた記憶がまだ鮮明に残っています。
ゲシュタルト崩壊の治し方・対処法は?
ゲシュタルト崩壊は誰にでも起こり得る現象と言えます。
ただ、未だに明確な治療法や対処法は確立されていません。
しかし脳の一時的なバグであることは分かっています。
ゲシュタルト崩壊を起こしてしまった場合も予防したい場合も、脳を休ませてあげるのが今のところの最善策と言えます。
睡眠を取れる環境があれば良いのですが、それが難しい場合は小休憩を取ったり気分転換ができるといいですね。
まとめ
今回はゲシュタルト崩壊についてご紹介しました。
突然字が読めなくなったり言葉が理解できなくなったら、混乱しますよね。
けれど、ゲシュタルト崩壊はあくまで一時的なものです。
大きな失敗につながらないように、その時は気持ちに余裕を持って少しでも心身を休められるといいですね。