お寺や墓地、時には道端にひっそりとたたずんでいるお地蔵さん。
お地蔵さんは、日本の文化で広く崇拝される仏教の守護神の一つです。
見かけると思わず手を合わせたくなるお地蔵さんですが『お地蔵さんに手を合わせてはいけない』と言われている理由を知っていますか?
まずはじめに簡単にお伝えすると、お地蔵さんは仏教の守護神の一つとして神聖な存在とされているため、手を合わせることは尊厳を保つために避けるべきとされているという考えがあるからです。
ですが、お地蔵さんに手を合わせてはいけないということはなく、手を合わせるか否かは個人や地域の信仰のあり方によって異なります。
今回はお地蔵さんに手を合わせてはいけないと言われる理由を詳しく解説します!
また、『お地蔵さんがいる場所には理由がある?』『よだれかけの意味って何?』などの疑問についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
お地蔵さんに手を合わせてはいけないと言われる理由は?
お地蔵さんに手を合わせてはいけないと言われる理由には次のような言い伝えがあります。
お地蔵さんは自らの願いを叶えるために手を合わせているため、人々がお地蔵さんに手を合わせてしまうと、お地蔵さんの願いを妨げてしまうと言われているんです。
お地蔵さんをよく見てみると、お地蔵さんって手を合わせていますよね。
また、手を合わせることで自らの願い事や苦しみを直接お地蔵さんに託すのではなく、自分自身がその苦しみや願い事に向き合い、自覚することが大切だという考えもあります。
このような背景には、慈悲深い存在とされているお地蔵さんの慈悲心に対して敬意を示す意味で手を合わせず、ただ黙とうすることが望ましいとされる場合があります。
一部の地域や伝統には、お地蔵さんに手を合わせてはいけないとされる一方で、手を合わせて拝むことが一般的とされている地域もあります。
お地蔵さんに手を合わせるか否かは、地域や宗派、個人の信仰によって判断していいでしょう。
大切なのは、お地蔵さんへの敬意や思いやりを持つこと。
その上で、周囲の風習や信仰の指針に従うことです。
その場に合ったマナーやルールに従って心を込めた拝みを行うことが望ましいですね。
お地蔵さんがある場所の意味について
寺院や墓地、時にはなんでもなさそうな道端にひっそりとたたずんでいるお地蔵さん。
なぜこんなところに?
という場所で見かけることもありますよね。
お地蔵さんがある場所には、4つの意味があります。
- 守護や加護の象徴
- 救済や慈悲の象徴
- 悟りの象徴
- 霊場や巡礼の場としての役割
一つずつ見ていきましょう。
守護や加護の象徴
お地蔵さんは、仏教の守護者の一つとされており、周囲の人々や地域を守り、幸福や平安をもたらす存在とされています。
お地蔵さんの存在は、安心感や安全への願いを象徴的に表しています。
救済や慈悲の象徴
お地蔵さんは、苦しんでいる者や亡くなった者の救済や慈悲を願う対象とされています。
お地蔵さんの前で手を合わせることで、自身や家族、他の人々の幸福や救済を祈ることができます。
悟りの象徴
お地蔵さんは、仏教の教えに基づく悟りや解脱の象徴でもあります。
お地蔵さんが座っている姿や手を合わせている姿勢は、瞑想や内省への努力を示しています。
※悟り・・仏教の用語。深い理解や覚醍を意味する。
※解脱・・仏教の用語。苦しみからの解放や自由を指す。
※瞑想・・意識を静め、内なる平穏や集中を促進するための実践や技法。
※内省・・自己の内面に向き合い、自己の思考や感情、行動、信念などを深く反省や省察することを指す。
霊場や巡礼の場としての役割
お地蔵さんが多く集まる場所は、霊場や巡礼の場の目的地として重要な役割を果たしています。
人々はお地蔵さんを訪れ、信仰心を深めたり、祈りや願い事を捧げたりすることで、心身の浄化や成就を求めます。
いかがでしたか?
お地蔵さんがある場所の意味には、人々の安全や救い、思いやりの象徴として置かれていることがわかりますね。
お地蔵さんのよだれかけの意味について
お地蔵さんがしているよだれかけには、どんな意味があるのか気になりますよね?
お地蔵さんがよだれかけをしているのは、人々がお地蔵さんに託した願い事や悩みを受け止め、除災や救済を行うためです。
また、よだれかけはお地蔵さんの慈悲と寛容の象徴とされ、信仰の対象となっています。
その他にも、悪口や中傷からお地蔵さん自身が身を守るためとも言われています。
よだれかけは、お地蔵さんの保護や浄化、人々に対する無償の愛や慈悲の象徴とされていて、人々の思いやりや敬意を表現する重要な要素になっています。
地域によって、信仰や解釈の仕方は異なるかもしれませんが、お地蔵さんへの思いやりや敬意を持ちながら、その象徴の意味を受け入れることが大切ですね。
お地蔵さんの拝み方は?
お地蔵さんへの拝み方の一般的な手順を紹介します。
- お地蔵さんの前に立つ。
- 両手を胸の前で合わせ、指先を上に向けて手を合わせる。
- 目を閉じ、心を静めて祈りや願いを捧げる。
- 拝み終えたら静かに手を下す。
難しい手順ではありませんね。
ここでお伝えしたいのは、お地蔵さんへの拝み方よりも大切なことは、自分自身の心からの思いやりや敬意を持ちながら拝みを行うこと。
この思いを意識しながら拝むといいでしょう。
まとめ
何気なく見かけるお地蔵さんですが、手を合わせてはいけないということはなく、お地蔵さんに対して敬意や思いやりの心を持つことが大切なんですね。
そして、お地蔵さんがある場所やよだれかけをしていることにもきちんと意味がありました。
次にお地蔵さんを見かけた際には、今回お伝えしたことを意識しながら拝んでみてはいかがでしょうか。