しきみとは、サカキと共に神棚や神社の境内に祭られたり、仏式の葬儀や法事などで使わられることからご存じの方も多いのではないでしょうか。
一年を通してきれいな光沢のある緑色の葉が特徴的なシキミ科の常緑樹です。
名前は知らなくとも、一度は目にしていたかもしれない「しきみ」は、実は猛毒を含む植物だと知っていますか。
そのため、庭に植えてはいけない植物とされています。
今回は、風水の縁起や花言葉まで解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
しきみを庭に植えてはいけない理由は?
しきみを庭に植えてはいけない理由は、ズバリ有毒性です。
しみきは、樹皮、葉、花、種子の全てに強い香りと毒性があります。
葉や樹皮などには、有毒成分のアニサチン、イリシン、ハナノミンを含みます。
さらに、秋にできる果実にも有毒です。
果実は星形で、中華料理で用いられるスパイスの八角に似ています。
子どもは、形が可愛らしいため触りたくなってしまうことでしょう。
しかし、毒劇法において劇物に指定されているこのしきみ。
この実を誤って食べると中枢神経が麻痺し、次のような症状がでます。
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
- 呼吸困難
- 意識障害
- 血液の凝固促進
最悪の場合は、死に至ることもある。
さらには、有毒成分は種子より果皮に多く含まれているそう。
これらの特性を知ると庭に植えてはいけないと言われている理由も納得できますよね。
特に小さなお子さんやペットがいるご家庭は絶対に避けたい植物なのではないでしょうか。
しきみは風水的に庭木での縁起が悪いの?
しきみは、風水的にも縁起が悪いのでしょか。
縁起が悪いと言われるのは、死に関連することに多く使われるからです。
しきみは、強い独特の香りを放つことから、香の木(こうのき)、香芝(こうしば)、香の花(こうのはな)と呼ばれることもあります。
お焼香で使う粉末状の香は、しきみの樹皮と葉を乾燥させたものなんです。
土葬だった時代はこの香りを利用し、動物に掘り起こされないようにしきみの枝葉を共に埋葬したと言われています。
また、遺体の下に敷き、腐敗臭を緩和させる役割もになっていたとか。
その風習から、地方によってはハカバナ(墓花)と呼ばれ、縁起の悪い木として庭に植えることをタブー視されているようです。
果実が有毒であるため「悪しき実」と言われていました。
これが転訛して「しきみ」と呼ばれるようになったとされています。
その他にも、「臭き実」(クサキミ)がしきみに転じたという説もあります。
風水的に縁起が悪いと言われるゆえんは、死や毒を連想させるからでしょう。
しきみの花言葉は?
有毒と分かったしきみの花言葉も気になりますよね。
花言葉は、「猛毒・甘い誘惑・援助する」です。
花から根っこまで猛毒を含み、独特の強い香りを放つしきみにぴったりの花言葉ではないでしょうか。
しきみは、仏式の葬儀やお墓参り、納骨の時に使われます。
仏様や先祖、故人にお供えすることが目的です。
そういったことが「援助する」の花言葉のゆえんかもしれません。
しきみとしきびの違いは?
しきみとしきびの違いはあるのでしょうか。
しきみは、「樒」と書き、「しきみ」または、「しきび」と読みます。
言い方は地域によっても異なりますが、どちらも同じ植物をさします。
また、美しい緑色を四季を通して保っていることから「四季美」となり、しきびがなまって「しきみ・しきび」になったという説もあります。
地域によっては、しきみの香りがお清めの効力があるとされていて、悪霊よけとして家の玄関に置くこともあるそうですよ。
まとめ
しきみを庭に植えてはいけないと言われる理由は有毒だからでした。
その毒性は、嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難、意識障害。
最悪の場合は、死に至ることもあることが分かりました。
この事実を知ると、もし子供やペットが間違えて口に入れたたら・・・と思うとぞっとしますね。
その他にも、花言葉は、「猛毒・甘い誘惑・援助する」とあまり縁起のいいものではありませんでした。
このしきみの毒性から、昔は埋葬に使われていたことも死を連想してしまうことも庭木に向かない理由の一つと言えるでしょう。
神社やお寺に植えてあることも多いので、それを眺める程度がちょうどいいのかもしれませんね。